新聞報道より 07/9/11朝日新聞


平成19年9月11日 朝日新聞 第31面より

 

【以下 記事文面】

長生郡市合併 また破綻
協議会、「当面は休止」


 茂原市と長生郡6町村の合併協議会は10日、会の「休止」を決めた。7市町村は04年に も、「長生市」としていったん合併に合意したが、茂原市議会が同年9月、全会一致で離 脱決議して破綻している。今回の合併協は同じ7首長での2度目の協議だった。「休止」 と言っても再開時期も示されておらず、事実上2度目の合併破綻だ。
 合併協の会長を務める石井常雄茂原市長は「当面協議は休止するが、長生郡市は文化 的、経済的にも一体」と改めて持論を繰り返した。市町村職員らでつくる事務局はなくな るが、「いつでも協議が再開できるよう」協議会や委員はそのまま残すという。  再び事実上の破綻となったことについて、首長側は「休止なので責任はない」と述べ た。今回は「茂原市」として08年4月1日に合併するなど全56項目の協議を終えた。しか し、合併反対の住民アンケート結果を受けた長生村長が8月離脱表明。一宮、白子両町も 残る6市町での合併協議継続を否決した。

拙速な協議 疑問相次ぐ

 《解説》茂原市と長生郡6町村はなぜ合併できないのか−−。記者会見した、石井俊雄 ・長生村長を除く6首長は「何が原因かわからない」と口をそろえたが、「わかる」努力 をしなければ、合併協議会が再開されても同じ過ちが繰り返されるだけだろう。  @対等合併なのに協議会委員は茂原市13人、町村各5人(前回は市町村各6人)A「前 回決定事項は踏襲する」方針に反して新市名を公募、結局「茂原市」に(同「長生市」) B国民健康保険税や介護保険料など「合併後調整」と先送り。
 合併協議離脱を決めた石井村長が今回の破綻の主要因を挙げた。同村の住民アンケート では、合併反対が賛成の3倍近くを占めた。
 新市名公募では募集枠(茂原市1万8千、6町村各3千)でもめた。新市名は、採決で 最も多い茂原市になったが、ある町の委員は、「茂原市の数のわがままが今後も通る。『 新市で決める』ことへの(将来)不安が現実になった」。拙速な協議への疑問など市民グ ループからの申し入れも相次いだ。委員を公募した市町村はなく、行政側に選ばれた委員 が、どこまで「住民代表」と言えるのかも疑問だった。
 また、前回離脱決議した茂原市議会は、05年の市議選で当選者全員が現職の再選となっ たが、なぜ今回は、協議に加わったのか。前回協議を検証する動きは、行政も市民側も鈍 かった、と言わざるを得ない。 (吉井享)


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